BLOG

商品じゃなく体験を売る。ボクが一番好きな通販サイト haco!

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

今日はボクが大好きな通販サイトのお話です。そのサイトは「 haco!」といいます。株式会社フェリシモの運営する通販サイトなんですが、なにが良いってその伝え方。

機能を充実させれば売上が上がる。とにかく安くて便利に。そんな amazon の得意な土俵で、ひたすら無謀な努力を続ける多くの通販担当者の方たちに是非見ていただきたいサイトです。

 

商品を売るという視点ではなく、その先の体験で伝える

通常、アパレルの通販サイトでは、ワンピースとかトップスという「どのアイテムを探すか?」という導線をメインに設計します。なので、1stビューと呼ばれる一番最初にサイトに表示されるページ上部には必ずアイテムカテゴリへの導線があります。

でもこの haco!はそもそも「どのアイテムを探すか?」ということをあまり重視してないんじゃないかな、と思うような設計なんです。なぜならそのアイテムカテゴリの導線が1stビューにない。パソコンだとサイドナビ、スマートフォンでは左上のバーガーメニューにあるんだけど、共に下の方に置かれています。そう、優先度が低いのが配置でも分かります。

そして注目すべきはタグ。アイテムカテゴリより優先されていことからも分かる通り、このタグこそが haco!の思想を表現してるんじゃないかなって思うんです。そしてボクが haco!を大好きな理由もこのタグです。

スクリーンショット 2017 02 07 17 57 02

ね。イメージできるでしょ。「着まわし抜群のアイテム」と言われるより「なにはともあれ、これ着とこう」の方がイメージできる。だって絶対そういう経験って誰にでもあるハズだから。事実、こういう気分や体験で表現した方がA/Bテストをしても結果がでやすい。今の時代にあった売り方だと思います。

そうボクは haco!を「商品を身につけることによって得れる体験を売る」サイトだと思っています。だから好きなんです。

その思想は商品一覧ページでも見て取れます。アイテム名を見てください。

スクリーンショット 2017 02 07 18 07 36

全部じゃないんだけど、例えば「旅の救世主!4泊5日のリバーシブルキャミワンピ&プルオーバーニットセット」とか「5年は着たい。ライナーもファーもついた定番トレンチコート」など、アイテム名がスペックじゃなく、実際にお客様が経験することがアイテム名になっています。

通常でいくと素材・アイテムのディテール・アイテムカテゴリが組み合わさる商品名が常識 (業界用語も多い ) 。でもこのアイテム名の付け方では、カッコつけているだけで伝わらないケースが多々あります。

自社でオリジナル商品を作っているブランドは、カッコつけないで haco!みたいな伝え方をすれば良いのにっていつも思います。

 

スタッフの個性が見えるコーディネートページ

コーディネートページも秀逸です。モデルになっているのは haco! のスタッフさんで、自身による手書きコメントが加わることで一気に個性が出てきます。手書きなので温かみを感じるし、名前と自分の考えを書いているのでサイトを長く利用するお馴染みさんは、この人とセンスが合うからこの人のオススメを買うという購買行動が起こりやすい。

これが他のサイトではスタッフさんはマネキンとしての役割しかないので、スタッフの個性が見えづらい。情報過多のこの時代、お客様にどんな個性でどんなセンスがある人かを分かってもらうには、写真1枚から想像してもらうのは土台無理な話。

でも haco! ではスタッフさんがそのコーディネートにした理由などが手書きのメッセージと共に入っていることで、個性が浮き出て個性やセンスが伝わってきます。これはぜひ参考にすべき手法だと思います。

スクリーンショット 2017 02 07 18 28 13

よく通販サイトの売り上げアップの方法というと、決済増やすとか即日配送とか、そういう個性のない便利競争になると思うんです。でも haco! は全然違う。これはSNSで haco! のスタッフの方とやり取りした時に知ったのですが、担当の方は腹抱えて笑いながら会議をしているそうです。

その雰囲気、サイトからも伝わってきません? 着たら楽しくなれそうって。

ファッションって元々そういうもんだと思うんです。別にワンピースが欲しいのではなくて、そのワンピースを着て自信を持ってお出かけしたり、デートしたり。そういう楽しい時間を過ごす体験がお客様は欲しいわけで。

必要な手間をかけて、お客様に正しく価値を伝える。そんな haco! のような通販サイトがもっともっと出てくるといいな。ボクも頑張ろ!いや、楽しも!