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費用ゼロで今すぐできる!売上がアップして、手間も減る商品マスタの登録方法

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

ここ数年、基幹システムに登録する「商品マスタ」の役割が大きく変わってきているのに、多くのアパレルブランドにおいてその時代の変化に取り残されている状況が多発しています。

従来までは基幹システムに登録する商品マスタは、社内の人間しか基本的には見ないので、商品名やカラー名が「通称」であっても売り逃がしにつながることはありませんでした。役割としてはあくまでも内向き。社内の人が分かればいいという状態です。

でもこの基幹システムに登録する商品マスタは、すべての部署において起点となる情報です。起点は生産を管理する生産管理からスタートして、MD・営業・プレス・店舗・通販担当者といった他部署の人はもちろん、取引先に渡すデータにおいても基幹システムに登録された商品マスタを参照します。

そして今やその情報は、通販サイトによってお客様にも表示される時代にとっくに変わっています。そう、内向きから外向きな情報に変わったということです。それなのに未だ昔のまま思考をアップデートせずに多くの手間が発生している。

そこで今日のブログでは、制約がハンパじゃなく多くて、改修費用もハンパじゃなく高すぎる基幹システムには早々に見切りをつけて、使う人の意識を変えるだけで手間を減らして売り上げもアップする、そんな方法を提案します。

 

商品名はお客様に伝わるように登録する

はい。これだけで売り上げアップします。多くの場合、商品企画や生産管理の担当者が商品名を考えて基幹システムに登録。他の部署はなんの疑いもなく、それを使い回すと思います。いやいや、ちょっと待ってください。

昔はそれでよかったですよ。店頭で商品名が表示されることはないから。でも今は通販サイトで商品名が出ます。しかも検索される際に一番重要視される部分が商品名です。

それなのに思考が内向きなままアップデートできていない場合、通称や下手すると型番のまま商品名が登録されてしまっているケースが散在します。様々なブランドが集まるZOZOTOWNとか見ると一発でそのブランドがアップデートできているか、いないか分かります。

まずかなり多いのが「PT」とか「OP」とか「SH」とか、そういう暗号がアイテム名に使われれいるケース。これ分かります?

PT →パンツ、OP →ワンピース、SH→シャツってことです。

次は難問。

「CB C/CU/L MRTY SH ジャケット」。

これホントに登録されている商品名です。専門学校時代から数えるとアパレル歴20年を迎えたボクが挑戦してみますね。

まずCBはセンターバックだと思われます。闘莉王やセルヒオ・ラモスといったサッカーのポジションじゃないですよ。背中の真ん中にタックが入った縫い方のことを指していると思われます。

そしてC/CU/L。これはかなり難解でしたが、おそらく素材と袖の長さだと思われます。コットン・キュプラという素材を指しているのが=C/CU。そしてLがロングスリーブ、つまり長袖なんじゃないかと予想します。

そしてMRTY。これはテイストのことを指しておりミリタリー。そしてSHがシャツと。

つまり「CB C/CU/L MRTY SH ジャケット」とは「素材にコットン・キュプラを使用したミリタリーテイストの長袖シャツのように気軽に着れるジャケット」というのが導き出された答え。多分あってると思いますが・・・アパレル経験者でもかなりの難問です (苦笑)。

でね、大事なのがここ。「これ検索する人います? 」ってこと。

ゼロですよね。そもそも「センターバックの服が欲しい!」、「コットンキュプラの服が欲しい!」って人いないでしょ (笑)。

普通にミリタリー・ジャケットとかミリタリー・シャツジャケット ( =シャツジャケットというのも怪しいけど ) の方がお客さんに伝わるし、検索にもヒットしますよね。

でもこんな簡単なことでもできない理由があるんです。

おそらくは内向きに登録された商品マスタを通販担当の方がダウンロードして、そのままお客様が目にする通販サイトに使ってしまっているから。もしくは基幹システムと通販サイトのシステムが自動で連携しており、商品マスタをそのまま受け渡しているから。

通販担当者は登録、または通販サイトで公開する前にお客様に伝わるように商品名を直すべきだと思いますが、でも会社全体で考えると企画とか生産管理が登録を行い、それを通販担当者が翻訳する、というのは二重に手間がかかって無駄。

でも通販担当者から関係部署に「伝わるように登録してほしい」とお願いしても掛け合ってもらえないというケースが現場の現実だと思うので、ここは決裁権のある方が会社全体を考えて「商品名はお客様に伝わるように登録する」ということを関係部署に周知徹底してもらえるよう変えていくべきだと思います。

伝わるように登録するとは、お客様の言葉に翻訳するということ。

例えば、リュックを「バックパック」とか、Gジャンを「デニムジャケット」とか、そういう風にカッコつけた言い方をしないでリュックだったらリュック、GジャンだったらGジャンと分かるように伝えること。そしてアパレルの人には衝撃だと思いますが「デニムパンツ」もダメです。みんな検索するのは「ジーンズ」です。その数なんと13倍!ボクはデニムパンツをジーンズと、商品名をかえるだけで売上を2倍にしたこともあります。たったそれだけで2倍です (笑)。

基幹システムに登録する「商品名」。たったこの1箇所を変えるだけで、MD・営業・プレス・店舗・通販担当者といった他部署の人はもちろん、取引先、そして何よりお客様をもハッピーにすることができるし、売上も上がる。

絶対にすべきです!経営者、または管理者の皆様、今すぐご指示を!

 

カラーマスタを整理して、担当者の感覚でカラー名を増やさない

これ、けっこうマニアックな話なのですがカラー名を決める際に感覚でカラー名を決めてしまい、マスタとして収拾つかない状況が多々見受けられます。

ブラックとかホワイトとかはいいんだけど、白黒のボーダーをブラックにするのかホワイトにするのか、ブラック/ホワイトを作るのか、ブラックの配下にブラック/ホワイトとして登録するのかなど、商品によって様々な選択肢が生まれるので担当者が感覚で決めてしまいがち。

時にはカラーを新規で作成したり、時にはブラックなどすでに登録されたカラーの配下にいれたり、基準がないためにその時によってまちまちなので階層が統一されていなかったり、重複があったりマスタがマスタとして正しく管理されません。

そうなるとカラーを管理するカラーコードが足りなくなったり、コードが違うのに同じカラー名称があったり。

連携が走らない昔は大きな問題にならないけど、基幹システムの商品マスタは今や通販サイトに商品を登録する際に起点となるデータ。ですのでカラーコードが整理されていないと連携時に苦労することになるので、何かしら社内で統一したルールを作成して部署間で連携できるようにすることで、システムの連携時の手間もグッと抑えられます。

 

採寸項目は通販サイトにそろえて採寸する

基幹システムに登録される採寸データは指示寸と呼ばれる生産時に用いた寸法を、そのまま基幹システムに登録するケースがほとんどです。でもこれも社内でしか通用しない数字になってしまうので、公式通販で使う項目に合わせたり ZOZOTOWNのような有力モールの採寸項目に合わせて採寸することで、商品マスタをダウンロードするだけで手間のかかる採寸が終了しています。

部署ごとに1回づつでも会社では2回採寸することになり、たとえ通販の採寸は外注しているとしてもそこにコストがかかります。であれば部署の垣根を越えて、最終形を想定して最初の登録を済ませておく。そうすることで作業の重複がなくなります。

 

以上、3つの改善を提案しました。

基幹システムに登録するのは通販担当者じゃありません。ですので、通販担当者から登録担当者へお願いするとサボってると思われがち。だからこそ管理職にある方々がこの無駄に気づいて、社内全体の最適化を考えて全体調整することが必要。

時代が変わって基幹システムに登録するデータは社内だけでなく、お客様も参照するデータになったということを認識して、いち早く社内をアップデートすることをオススメします。費用のかかる基幹システムの改修ですが、このアップデートは無料なので是が非でも実現してください。