韓国のショップを見れば、日本のお店の未来が見える!? / 韓国ショップ巡りの旅 VOL.2
国民のほぼすべてがスマホを持ち、ECで買い物をするのが当たり前。買い物はキャシュレス
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
5月韓国・6月香港・そして8月にまた韓国と行っていました。最近、韓国に行っている理由をよく聞かれるのですが、それは、前のブログにも書いた通り
毎朝、フェイスブックを開くとボクのタイムラインには「海外の先進的な事例」についての感想が大量に流れてきます。確かに読むと面白いですし、勉強にもなる。ボクも最低限情報をキャッチアップしなければいけないと思って一通り読むのですが、大抵最新鋭のテクノロジーを駆使した取り組みだったり、革新的なビジネスモデルだったり。「これ日本のアパレルブランドの規模感でできるとこって何社あるの?」って思うことがほとんど。
一方、インスタを開くと堅苦しい雰囲気はないし「画像で魅せる」ということは、最新鋭のテクノロジーも革新的なビジネスモデルも必要としないので「日本のアパレルブランドの規模感でも取り入れやすい」と思っています。そして画像で魅せることに長けた人を色々探っていくと、どうも韓国の方が目につく。撮り方はもちろん、背景のスポットなども「インスタ映え」なのだ。こんな状態がしばらく続いたので「SNSの使い方がうまいブランドやお店を見てくる方がよっぽど多くのブランドの支援に繋がるのではないか?」と思うに至り、一路韓国を目指すこととなりました。
ということが1つ。
でも実はもう1つ理由があります。それは韓国のお店を見ることで「日本のお店の未来が分かるんじゃないかな」って思っているからです。それはあらゆるデータが証明しています。
やや古い指標ですが、2016年度の韓国における通販のBtoC取引額は、64兆9134億ウォン (約6兆5000億円)で、前年比なんと 20.5% 増加。
グラフ引用元:通販新聞
すべての小売取引額は370兆ウォン (約37兆円) ということなので、EC化率は17.5%で世界一。
グラフ引用元:InternetTrends2017Report
さらに小島健輔さんによる著作「店は生き残れるか ポストECのニューリテールを探る 」によると
わが国の物販ではまだ6%程度だが、米国は12%台に乗り、中国は20%を超え、英国は18%、韓国は 22%に迫る(17年度)
とあります。
そしてスマホ普及率も世界トップの9割以上!
さらにいうならば、現金以外の方法で決済を行うキャシュレス比率においても日本の18.4%に対して韓国は 89.1%。これは2015年のデータなので、中国などの追い上げが予想されるものの依然世界トップのキャシュレス大国である。
グラフ引用元:キャシュレスビジョン 経済産業省
とデータが示す通り「国民のほぼすべてがスマホを持ち、ECで買い物をするのが当たり前。買い物に出かける際は現金なんて使わない」という国が韓国なんじゃないかなと。これって日本、というか世界中で訪れる未来だと思っています。
アメリカや中国といった規模で勝る国の取り組みが目立つの傾向にあるのが事実ですが、ボクは消費傾向の先進国である韓国で今人気となっているお店を見ることで「日本のお店が進むべき方向」も見えてくるんじゃないか? という仮説を検証しにいっている、というわけです。なんせ2時間弱と近いですしね。
最初はまず自分で感じる。知識は答え合わせで
とはいっても、ボクはまだ韓国6回目くらい。しかも前の4回は、学生のとき個人用のスニーカーを買い付けにいったのが2回。その後アパレルブランド時代に買い付けにいったのが2回なので、今回のような視点でお店を見たのはたったの2回だけ。
なんで分からないことだらけ。詳しい人に聞いたり、ネットで情報を集めたりして行くべきお店を絞り込みはするものの、一番大事にしているのは「あまり予備知識を持たないで行く」ということ。
これは過去に仕事や買い付けで香港とニューヨークに毎月いっていたのですが、その際の周り方で実感したことがベースになっています。
もちろん人づてを辿れば詳しい方を紹介してもらって詳しい解説の元、効率よく回ることができると思います。でもボクは最初の段階では、それをしないで、どの国も「お客さんと同じ状態でお店を見る」ということを重要視します。なので、どの国へ行ってもタクシーなどはあまり使わないで、地下鉄と徒歩でガンガン回る派。
主要なスポットから主要なスポットまでは乗り換えが何回あって電車でどれくらいかかるのか? とか、駅からお店まではどれくらい歩くのか?など、お客さんと同じ条件にして体感しないと気が済まない。そしてやっとこさ辿り着いたお店を見て、買い物で熱狂する傍ら「自分がどこに注目して、何が欲しくなるのか?」というのを冷静に見極めている自分がもう一方にいます。これが大事。
アテンドの方と一緒に回ると、ずっと車移動で地理感も分からないし、なにより「ここを見てください」と懇切丁寧な事前情報があるがために「見学」になってしまう。「見て学ぶ」ので知識としては身につくかもしれないけど、お客さんはお店に学びにきているわけじゃないので、少しでも感じる量を残しておきたい。だから大事な部分を見逃すというリスクを背負っても、最初は自力で足で稼ぎます。
そして「ある程度回った」と思ったところで次のフェーズへと進み、詳しい人と一緒に回ることで答え合わせをしていきます。 見逃した部分がないか? 疑問に思ったことの答えは? 自分が感じた感覚は正解なのか?それらを1つ1つ丁寧に紐解いていくことで、学んだことではなく体感したことなので浸透度合いが全然違うのを実感するからです。
感じたことはダッド!ダッド!ダッド!
では何を感じたかってことなんですが、前回のブログでは「坪効率から坪効率度外視」や「変えることを前提としてお店づくり」をしている人気店を紹介しました。これらのお店を見て感じたのは「モノを売るだけなら通販で事足りてしまうので、店舗の使命としては着用して『いいね!』を増やすためのシーンまで提供すること」が、わざわざ足を運びたくなるお店の条件なのでは?と感じました。
参考記事
お客さんが欲しいものは洋服ではなく「いいね数 」/ 韓国ショップ巡りの旅
実際、韓国の後に訪れた香港ではEC化率が2〜3%程度と言われており、お店の状況は韓国とまったく違って「坪効率重視」。まだまだモノを売るお店だらけでしたし、よっぽど韓国より詳しくて自由に色々動き回ったにも関わらず新しい何かを感じることもありませんでした。
んでもって今回の韓国はというと、例えばこの「SNSで話題」の図書館。
サムソンドンのCOEXというモールにあるピョルマダン図書館という場所なんですが、約13mもの本棚が設置されています。貸し出しはできなくて施設内では読めるみたいなのですが、気になるのが「上の方の本はどうやってとるの?」問題。
ご安心ください!これ実は飾りで、そもそもとるつもりもないらしい。うーん、素晴らしい割り切り(笑)。
でも普段、図書館なんて絶対いかないけど、こういう図書館には行きたくなりますよね。事実、施設名の「별마당 도서관」でインスタ検索すると9万7000件の投稿!日本語の「 ピョルマダン図書館」ですら1300件もの投稿があります。昨年の5末に完成なのでまだ1年3ヶ月程度にも関わらずです。
本を貸すということが目的であればもっと効率的な方法はあるはずですが「本のある豊かな生活」を提案するとしたら、このような方法に行き着くんだろうし、この方が今の時代にあっているんじゃないでしょうか?
そしてもう1つ。とにかく目に付いたのはダッドスニーカ-!
街ゆく人もスニーカーショップも市場も。そこかしこにダッドスニーカ-が溢れていたので、ブログの締めくくりに各ブランドの新作ダッドスニーカ-をご紹介していきますね。
大人気のFILAはもちろん
スケッチャーズ
ホーキンスだったけな?
リーボック
デサント
エゴイスト
なんとニューバランスまで韓国限定でリリース。
コーチもあれば
市場にだってトリプルS 風が転がっています (笑)
今日のブログは以上!って気づき薄っーーー!
いや実は今回の韓国視察で、ずっと前からボンヤリと感じていた疑問という違和感みたいなことを解決する糸口みたいなものが朧げながらも見えてきた感じがするんです。オムニチャネル後の在り方というか。そんな壮大なというか漠然としたイメージのお話なんだけど、それはそれで長くなるので次の機会に書こうと思いますので今日はこの辺で。チャルイッソヨー