BLOG

南北首脳会談の当日、ボクは板門店にいました

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

先週の木曜日の夜から韓国へ行っていました。40のおっさんであるボクのタイムラインにはシステムやビジネスモデルで際立つ海外事例はウンザリするほど流れてくるんだけど、インスタ映えするような内容はあまり流れてこない。

でも既存のアパレルブランドを支援する上では、最新のシステムや斬新なビジネスモデルを導入できる会社は限られてくるので、より多くのブランドを支援するためにもSNSの使い方がうまいブランドやお店を見てくる方がよっぽど身になるんじゃないかと思い、この旅を企画しました。

だからボディクリームのお店やサングラス、カフェ、キャンドル、アクセサリーなどなど、なんでも食わず嫌いせずに50軒以上のお店をチェックしてきましたが、土曜日だけはお店周りを中断し観光に当てることにしました。

向かった先は板門店。 どうしても行ってみたい場所でした。板門店を知らない方は以下の説明に加え、板門店での許されざる友情を描いた「JSA」や朝鮮戦争での仁川上陸作戦までの模様を描いた「 オペレーションクロマイト」を観るといいかなと。

板門店は、韓国・ソウルから52キロメートル (km)、北朝鮮・平壌から147km、開城工業団地から8km離れた所に位置する、朝鮮戦争の停戦ラインである軍事境界線(DMZ-DeMilitarized Zone/「非武装区域」とも)上にある(北緯37°57′20″、東経126°40′40″)。韓国の行政区画上は京畿道坡州市郡内面造山里に属する。

韓国軍を中心とした「国連軍」と朝鮮人民軍が境界線を隔てて顔を合わせている。

< 中略 >

板門店は、第二次世界大戦後の冷戦下において、南北朝鮮と同じく分裂国家であった東西ベルリン間に置かれた「ベルリンの壁」、同じく分裂国家であった南北ベトナムを隔てた軍事境界線の「ベンハイ川」と並んで、長く「冷戦の象徴的存在」であった。そして、世界の殆どの地域で冷戦が終結し、さらにベルリンの壁が崩壊したのちにドイツ再統一が成った1990年以降において、世界で唯一「冷戦の最前線」になっている。

 

板門店ツアーの申し込みはウェブから!

まずは申し込みです。この板門店にはツアーに申し込み事前登録された人しかいけません。板門店がセットになったツアーを申し込むも良し、フリーの韓国旅行中に板門店ツアーだけを自分でプラスするも良し。ボクは後者のプランを選択。基本フリーで好き勝手に動きつつ、土曜日だけ板門店へのツアーに参加するよう別の旅行会社での板門店ツアーだけを追加しました。価格は2万円。

とはいっても団体行動が極度に苦手なボク。ツアーというだけでかなり憂鬱でしたが、板門店にいくためにはツアーでいくしかないので仕方ない。半日の辛抱と言い聞かせ、注意事項である「パスポート持参」と「服装規定 ( =サンダルや短パン、ミリタリーファッションはダメ ) 」を頭に叩き込みます。

そして迎えた5月26日の土曜日、いよいよツアー当日。この日は朝8時30分にソウルのプレジデントホテルで集合でした。3階で受付を済ませて、8時50分にバス出発。1台に40人くらい。2台のバスで一路、板門店を目指します。

 

いよいよ DMZ (=非武装地帯) へ!そして板門店へ!

途中、サービスエリアでのトイレ休憩を挟んで1時間ほどでDMZと呼ばれる軍事境界線より南へ2kmに位置する非武装地帯の入り口に差し掛かります。この少し前から金網や見張り小屋が等間隔で出現してきます。また手前に見える緑の山は韓国で、その先にある茶色の山は北朝鮮の山であるという見分け方も教わりました ( =脱北者を見つけやすいよう木々を伐採しているとのこと )。

DMZでの検問ではバスに韓国軍の方が乗り込んできます。内容はパスポートの提示。といってもここでは人数確認程度の簡単な確認のみで、すぐに通行許可がおります。そしていよいよ非武装地帯へと進んでいきます。ここからは撮影禁止です。

少し進むと車が停車し再び兵隊さんがバスに乗り込んできます。ここは国連軍の管轄らしく先ほどと同じ韓国の方でしたが、国連軍としてチェックが行われるようで参加者のリストとパスポートの付け合わせが行われ、1回目より厳重なチェックが行われます。そしてこのチェックが終了して、通常で行くと「死んでも文句言うなよ」的な誓約書にサインして、国連軍のバスに乗り換えて10分ほど進んだ場所にあるこのツアーのメインの場所、JSAと呼ばれる共同警備区域を目指すことになります。

しかしどうも様子がおかしい。パスポートチェックをしている兵隊さんとは別の兵隊さんがやってきてツアーガイドの方となにか話している。明らかにトラブルの様子が見て取れます。そしてパスポートチェックが終わるとツアーガイドさんから「すいません。今日はJSAへ行けません」とアナウンスが流れます。

原因は不明。というか現場の兵隊さんも2分前に連絡が入ったということで、なぜ急遽見学を中止せねばならないのか聞いてないということ。ガイドさんも前日に中止連絡があることは経験あるけど、今回のように中まで入ってパスポートチェックまでしたのに突然の中止とは異例らしい。

ということで、結果的には目的地へ辿り着けず。。。ただメインであるJSAの見学がダメなのであって、他はOKということだったので急遽代案として、DMZ内にある博物館の見学に行くことになります。
 

失意の博物館見学

着いた先はお寺や教会、そして博物館がある場所でした。ここではツアーガイドさんから朝鮮戦争の話から始まる板門店の成り立ちのお話をスライドで聞いていきます。そして二階にある博物館へ。この周辺は撮影OKということだったので、いくつかご紹介していきますね。

まずは1階の入り口では、韓国・国連軍・アメリカの国旗。そして兵隊さんの原寸大レプリカがお出迎えしてくれます。


そして2階に上がると顔出しパネルがお出迎え。左腕の腕章は北と南双方の取り決めでJSAを警備する兵隊さんは身につけると決まったらしいが、北の兵隊さんはつけてないらしく「そんな小さい約束事も守らない」と、ガイドさんがぼやいていたのが印象的でした


そしてJSAの様子をリアルタイムで写したカメラ。見えているのにいけない。そんな北と南に横たわる「近くて遠い」という現実。ボクたちも少し違う形とはいえ、ほんの少しだけ、ほんの少しだけそんな体験をした気がします。


この模型は「ポプラ事件」を再現した模型。あわや第二次朝鮮戦争の引き金になりかねた事件で、この出来事を契機に共同で警備していた地域にも明確な軍事境界線が設けられた。

1976年8月18日(現地時間、UTC+9)に、韓国と北朝鮮の軍事境界線上にある板門店で発生した事件である。ポプラのまさかり事件とも呼ばれる。韓国では8.18斧殺害事件または斧蛮行事件[1]、北朝鮮では板門店事件[2]とも呼ばれる。

共同警備区域内に植えられていたポプラ並木の一本を剪定しようとした、韓国軍兵士と韓国人作業者と国連軍を成す1国であるアメリカ陸軍工兵隊に対して朝鮮人民軍将兵が攻撃を行い、2名のアメリカ陸軍士官を殺害[3]、数名の韓国軍兵士が負傷した。

他にも立ち入り禁止の看板が展示されていたり、パネルがいくつか貼ってあったり ( ハングルなので読めず ) といった感じ。30分ほどで見学を終え、一行は博物館を後にして自由の橋や昼食を経てソウルへ戻ることに。

 

見学中止の理由が判明!なんと南北首脳会談!

ソウルに戻ったボクたちはお店周りに戻り、一旦荷物を置きに夜8時すぎにホテルへつきました。そして一息ついた後に東大門へ繰り出そうとした時、ビッグニュースを目にします。

「26日午後 南北首脳会談を開催 韓国大統領府」

まさかのトップ会談!そりゃ中止ですわ、ぐうの音も出ないくらい納得。

何も土曜日にトップ自ら働かなくてもと思ったけど、世界平和のために必要な歩み寄りですからね。逆に南北首脳会談の直前に板門店へ足を踏み入れて、たった80人の民間人の1人になれたことの方が奇跡。「何事も人と違う経験をする」こっちの方が財産だと思うので、JSA見学は次回にお預けとします。