BLOG

softbank のパケット料金に見る「おとり選択肢」の有効性

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

今日、携帯のプランを変更しました。ボクは softbank のパケット量 30GBの「ギガモンスター」というプランで契約していたのですが、外で仕事することが多くテザリングしまくりのボクにとって30GBでも足りない月もしばしば。

そこで今年の9月からスタートした「ウルトラギガモンスター」という50GBで契約できるプランに変更しました。その時に気づいたのが 30GBが月8,000円、50GBが月7,000円というあべこべな料金設定になっているということ。

Monster

普通に考えて使用料が少ないのに高いというのは、ありえない料金設定。だからなにか制約があったり、追加で他のオプションに入る必要があるのかと思いきや、そんなこともなさそう。

おいおい「早く言ってよ〜」と思いつつも、この料金設定を見て一冊の本が頭に浮かびました。

 

あえて選択肢に「おとり」を用意することで契約単価がアップする

それがこの『予想どおりに不合理:行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』という本。

619vmrBatHL

以下はamazonにある本の説明からの引用。

行動経済学ブームに火をつけたベストセラー!

「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」――。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。

でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない! 行動経済学ブームに火をつけたベストセラーの文庫化。

これ非常に面白い本でした。

ぜんぜん合理的じゃないことでも人間はそこに違和感を感じず不合理な行動をとってしまう。様々な実験からそんなことを検証しています。

その中で一番印象に残っていて、ボクもビジネスで応用している好きな事例があります。それがエコノミストという雑誌の年間購読の申し込みページのお話。

選択肢としては以下の3つがありました。


Economist1


これおかしいですよね?

印刷版だけの値段と印刷版とウェブ版がセットになったものが同じ値段。でもこれ間違いでもなんでもなく、真ん中の選択肢が重要なんです。試しに「どのプランで契約するか?」という実験を100人にしたところ


Economist3


という結果になったそうです。当然印刷版だけの人はゼロ。明らかにお得じゃないですもんね。そして今度は、真ん中の選択肢を外して聞いてみたところ


Economist2


という結果になったそうです。

明らかに価値の劣る真ん中の選択肢がなくなることで、59ドルと125ドルという部分での比較が始まり単価が低い方を選ぶ人が多くなった。

でも囮として同じ値段で明らかに価値が劣るものが選択肢として加わることで比較対象が125ドル同士の2つとなり、明らかに得だと感じる方を選んでしまうことが分かったそうです。

この実験結果から分かったことは、人間が物事を判断するときはなにか絶対的な基準を持って決めるのではなく、他の選択肢と比較して相対的にお得な方を選ぶということ。

ここで話を先ほどの softbank のパケット料金に戻します。

Monster

ギガモンスターを検討する人は、動画を観たい人、もしくはテザリングをする人と仮定すると、選択肢は以下の3つが有力候補として残ります。

・ギガモンスター 20GB/ 6,000円
・ギガモンスター 30GB/ 8,000円
・ウルトラギガモンスター 50GB/ 7,000円

先ほどのエコノミストの例の通り、選択肢として30GBは明らかに不要ですよね。でも残っている。この30GBをなくしてしまうと、20GBか50GBかの2択になり大抵は「20GBで十分でしょ」となり6,000円の契約になってしまう。

そこに30GBが現れることで、50GBの見栄えが「量が多くて安い」という別の価値を持つようになり7,000円の契約が増える、そんな目的があるのかもしれませんね。

 

と、長々と書いてきましたが以上は完全にボクの仮説・妄想です。

もしなにか契約の縛りがあるから50GBの方が安いとか「全然違うよー!」ってことだったらすいません (笑)。携帯の契約って複雑すぎてよく分かってないんで (笑)。

兎にも角にも来月からは50GB。LINE繋ぎっぱなしで生活する女子高生みたいにテザリングしっぱなしでも安心しちゃう。よーし、バリバリ仕事すんぞー!