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ブランドと取引先のためのイベントになってしまった福袋にもの申す!

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

いよいよ11月ということで、そろそろ盛り上がりを見せる福袋商戦。あ、でもお客さんは全然盛り上がってないですよね。ここ数年、一気に福袋が売れなくなってきた。ということで、今日はここ最近の福袋事情について思うことを少し。
 

誰もが福袋を求めていた黄金期

ボクがレディースブランドで働き出した10年くらい前は、そりゃもうスゴかった。何千個って数が即完。前年売上をクリアせねばならないという命題を抱えた管理職のボクには、もう麻薬みたいなもん。その年の目標数値から逆算して福袋の数さえ調整すれば余裕で達成してしまう。そんくらい破壊力を秘めたカードでした。

取引先のサイトでも何かイベントがあると「福袋はできないですか?」と言われる感じで、ブランドも取引先もお客様もみんなが福袋を求めていました。

この当時の中身は売れ残った商品で5万円以上詰め込んで1万円、そんな感じでした。

 

お客さんの要求とコスト要求。過剰な要望に応えるために生まれた作り込み

しかし7〜8年くらい前から様子が少しづつ変わってきます。売れ残りが入った福袋ではお客さんからクレームが入るようになりました。「おいおい、福袋ってそういうもんだろ」と思いつつも各社「作り込み」と呼ばれる、福袋用の商品を作り出すようになります。「絶対コートが入ってます」というような感じですね。初売りの時期なので、お客様は当然コートがほしい。これは喜ばれました。

しかしまた1年〜2年もするとさらなる要望に応えるために、福袋をすべて作り込みように変わっていきます、袋も含めてね、売れ残りを入れるのは喜ばれないし原価も悪いので、この流れは必然。

福袋の価格は5千円とか1万円とか、そんくらい。その価格から家賃や手数料を引かれ、それでも「作り込み」であるからには利益を確保しようと考えるので当然そのしわ寄せは福袋の原価に跳ね返ります。

そんな原価でコートもスカートもワンピースもトップスも、さらには袋まで作らなきゃいけない。もうペッラペラですよ。お客さんも喜ぶわけがない。そんなことを何年も繰り返して期待を裏切り続ければ、当然もう買わなくなる。その結果が今の福袋の販売不振につながっていると思います。

 

今は前年比を落とすことができないブランドと取引先のためのイベントに

それでもなお福袋を作り続けなければならない事情がブランドにはあります。それは前年比。前年をクリアしていくためには福袋を売って見せかけでも高をとらなくてはならない。そんな状況がまだ散見されます。

しかし福袋はもうドル箱商品ではなく、完売させるのに一苦労することが多い。そこで取引先に買い取りで提供するブランドが見受けられるようになりました。確かにブランドとしては、事前に発注をもらって買い取ってもらえれば在庫リスクなく売上が計上されるので手堅い手法と考えるのですが通販の場合買い取ってもらっても、そのサイトでいつまでも残っているのが全国の人にバレバレです。それを平気でそのままにしてしまうと次回の福袋が売れなくなるし、ブランド価値も毀損する。

昔はブランドも取引先もお客様もみんなが福袋を求めていました。けど、今は前年比を落とすことができないブランドと取引先のためのイベントになっているような気がしてます。

だからこう思うんです。福袋辞めちゃえばって(笑)。どうせ骨折り損のくたびれ儲けで、前年クリアのためだけのツールに過ぎないならね。

それか1年に1回なんだから思いっきり大盤振る舞いしてみれば? 例えば、本当に良いものを10万円分くらい突っ込んでみて、買った人が絶対に拡散したくなるような豪華な内容で。当然、それじゃただの赤字垂れ流しの安売りなんで、購入できる人を制限すればいんですよ。売上の70〜80%は全体の30%の人だけで作っているので、その人たちだけが買えるようにするの。

ま、これは一例だけど、どうせやるんならお客様も喜ぶ福袋にしてみたらどうかな?しつこいようだけど1年に1回なんだから自分たちのことじゃなく、お客さんのこと考えてみましょうよ。

あ、でもタイミング的に遅いか。もし少しでも思うことあれば、来年の参考にしてみてほしいな。