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気仙沼ニッティングとボクの612日。MM01完成までのストーリー

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

ボクはお買い物してますよー。しかも、かなり嬉しいお買い物。それは気仙沼ニッティングのMM01と呼ばれるカーディガン。この手編みのカーディガンは、完全受注生産でお値段は約15万円。それでも待っている人が大勢いて、ボクがオーダーしたのは2015年3月11日。612日待ってやっと手にすることができました。

しかもただ待ってるだけじゃないんですね。その間にも数々のストーリーがありました。まるで気仙沼に知り合いができたかのような「関係性」でつながるお買い物。

その一部始終を振り返ってみたいと思います。

 

2015年3月11日 気仙沼にあるヘッドショップ「メモリーズ」でオーダー

気仙沼にある「メモリーズ」で採寸し、オーダーしてきました。ここの詳しい内容は下記のリンクからご覧ください。

<参考記事>
ニットを求めて500km! 気仙沼ニッティングの販売店「メモリーズ」に行ってきた!

 

2015年5月18日 社長からお手紙をいただく

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社長の御手洗さん自ら直筆のメッセージ入りのお手紙をいただきました。こういう気遣いが、あるとないとでは大違いですよね。待つ時間のちょっとした気遣いがあることで、一人一人のお客さんを大事にしていることが伝わってきます。

 

2015年8月30日 気仙沼ニッティングの本を読む

気仙沼ニッティングのこれまでの成り立ちを綴った本が発売になったので購入。そこには「100年続く会社を作ろう!」と震災後の気仙沼で編み物会社を起業し、初年度から黒字を達成し納税を果たすまでのストーリーが書かれています。

気仙沼ニッティング物語 いいものを編む会社

 

2015年10月20日 気仙沼ニッティングの紹介で、TVに出演(笑)

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TBSの「あさチャン」というTV番組で気仙沼ニッティングの魅力をお話させていただきました。制作スタッフの方が最初に紹介した記事を読んでオファーいただいたのですが、わざわざこれを観た社長の御手洗さんからお礼状と共に、究極のお土産と呼ばれる「金のさんま」までいただきました。ありがとうございます!美味しくいただきました。

 

2015年11月28日 糸見本が届く

今年の3月にオーダーした「気仙沼ニッティング」のカーディガンの進捗状況が、糸見本と一緒に到着。

この手編みのカーディガンを編み上げるには熟練の経験が必要とされるため編める方がまだ少なく、月に僅か5枚しか作れないといいます。

でも発注時…

野田 大介

さんの投稿

2015年11月28日

 

今年の3月にオーダーした「気仙沼ニッティング」のカーディガンの進捗状況が、糸見本と一緒に到着。

この手編みのカーディガンを編み上げるには熟練の経験が必要とされるため編める方がまだ少なく、月に僅か5枚しか作れないといいます。

でも発注時100人ほどだった待機人数も残り42人まで前に順番が進んだので、来年の冬には着れそうかな(笑)。でも今から新規だと何百人待ちは覚悟です。

ちなみにベージュの糸は「オートミール」という新色だそう。色変更も可能なようですが、浮気せずネイビーでいきます。

 

だいたいこの時点で順番待ちが半分くらいまで進みました。待つ間にもこうやって想像を膨らますことができるので、待ち時間も楽しい時間に変わります。

 

2016年9月1日 編み始めの連絡!

1年半ほどの待ち時間を経て、遂に編み始めの連絡が来ました!この時に半金を入金して編み始めていただきます。2週間後の9月15日には編み手の方が「じゅんこ」さんに変更になったという連絡もいただきました。

じゅんこさんは「メモリーズ」で採寸していただいた方で、有名なミッフィのカーディガンも編み上げた凄腕の持ち主。期待が高まります。

 

2016年9月25日 じゅんこさんからお手紙が到着

実際の担当者である「じゅんこ」さんから、わざわざお手紙をいただきました。メールじゃなく手紙っていうのが、関係性がグッと近づく感じ。それにしても達筆 (笑)。手先の器用な方は字もお綺麗なんですね。

 

2016年10月6日〜10月31日 各パーツの進捗連絡

後身頃、前身頃、袖と着々と編み上がるにつれて、その都度画像と共にご連絡をもらえます。納車前って人生でも指折りの楽しい瞬間だと思うんだけど、あの感じをイメージしてもらえれば分かりやすいかなと。

 

2016年11月12日 完成!

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遂に到着!箱は質感こそ違うもののエチュード( =気仙沼ニッティングのエントリーモデルとなる別デザインのニット )と同じ形。相変わらずこだわった箱です。嬉しくなるよね。

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うっとりするような立体感をもったアラン模様がお目見え。

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お手入れ方法の冊子とギャランティカードが同封、他には編み手の「じゅんこ」さんからのお手紙。

じゅんこさん、大満足ですよ!ありがとうございます。サイズも完璧です。長ーく長ーく大事に着させてもらいますね!

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着るとこんな感じ。Keisuke okunoya のパックTと合わせて「関係性ブランド」でコーディネートしてみました。この冬のヘビロテ決定です。

服が売れない!って良く言われてるけど、こうして1年も2年も待って15万ものカーディガンを買う人が現在も大勢待っている。

この前ユナイテッドアローズの栗野さんが講演で「最大公約数な価値観から脱却しよう。少数派思考の時代」と話していたけれど、本当に痛感します。こうやって作り手の方とコミニケーションを重ねることで、このカーディガンはボクにとって「じゅんこさんがボクのために編んでくれた1枚」という唯一の価値を持つ。

ブランドとお客さんというドライな関係性じゃなく「気仙沼に住む知り合いのおばちゃん (=じゅんこさん、スイマセンw) 」という距離の近さを感じる。

15万のカーディガンと聞くと「高っ!」って思うかもしれないけど、「え!? 全然高くないっしょ」ってのがボクの率直な感想。これはこのカーディガンをオーダーして、一緒に時間を共有した人にしか分からない感覚なんだと思う。まさに「商品」じゃなく「体験」を買う。そんな素敵なお買い物でした。

このMM01を着て、またメモリーズまでお買い物にいきたいと思います。じゅんこさん、御手洗さん、本当にありがとうございました!

みなさんも心を豊かにするような素敵なお買い物を!