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【 保存版 】通販物流の相場を大公開!契約時に注意すべきポイントも

どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?

この仕事をしていると色々なブランドのお話を聞く機会に恵まれるのですが、その際「もっと良くできるのになぁ」とか「相場より高いなぁ」と思うことが多々あります。

今日はその筆頭である「物流倉庫の費用」がテーマ。

 

坪単価の値引きに一生懸命になりがちだけど……

物流を変えるという機会は、そうそうありません。それだけに社内に知見が溜まりづらく一般的な相場観というのが掴みづらいところ。そこで今日は、これまでにボクがいくつかの物流倉庫とやりとりをする中で見えてきた「相場」を下記の表にまとめてみました。

通販の物流倉庫で発生する一般的な業務ごとに「安い・普通・高い」という3つで金額を入れています。

logistics_costs

これは東京・千葉・埼玉という都内近郊で月1000件くらいの出荷を想定した費用感です。

他には「業務管理費」や「WMSと呼ばれる物流管理システムの使用料金」、「配送会社へ支払う配送料」、「梱包材」、「土日などのイレギュラー対応の費用」など、細かく上げれば色々あるのですが、基本となる業務だけ抜き出してあります。

よくありがちなのが、見積もりが出ると「坪単価」を下げようとやっきになる傾向があります。見積もり上一番金額的に大きく見える部分なので、分からないでもないのですが、ここにはあまりこだわる必要はないと考えます。

その代わりこだわって欲しいのは「配送一件あたりいくらかかるのか?」という部分。理由としては全体に与えるインパクトの問題です。

仮に先程の月1000件の出荷とした場合、大まかに保管に必要な坪数は30〜35坪くらい。坪単価で500円お値引きしてもらっても月15,000円〜17,500円にしかなりません。でも一件あたりの出荷単価を50円でも下げることができれば、月50,000円の削減になるからです。

 

配送一件あたりのコストがいくらになるか?で判断すること

だからこそ、こだわるべきは「配送一件あたりの費用」。

上記の表でいうと

・棚から商品をピッキングしてくる「出荷」

・お買い上げ明細をプリントアウトし同梱する「納品書出力」

・配送先を記載した送り状を出力する「送り状出力」

・商品とお買い上げ明細を梱包し、送り状を貼って出荷可能な状態にする「梱包費用」

の合計値です。ここに各倉庫が持っているヤマトや佐川の配送料金が乗っかり「配送一件あたりの費用」となります。

例えば上の表の「安い」の料金テーブルで、1点だけの出荷とした場合、

「出荷」10円

「納品書出力」15円

「送り状出力」10円

「梱包費用」80円

合計115円。

ここに配送料金が上乗せされて「配送一件あたりの費用」となります。ま、現実にはすべての業務が「安い」のテーブルに入る物流倉庫はないので、ここまでの値段はまず出ませんが考え方としてはそんなところ。

当然、佐川よりヤマトの方が高く、ボクの基準としては「配送一件あたりの費用」が 佐川なら600〜650円くらい。ヤマトなら700円〜750円くらいにハマっていれば十分妥当だと判断します。

logistics

 

でも値段は判断基準の一つでしかありません

無理な値引きを強要したり、値段だけを基準に物流を選定してしまい痛い目にあっているブランドさんを見かけます。重要なのは「値段はあくまで選定基準の要素の一つ」であって、すべてではないということ。

セキリティの問題、連携やカスタマイズといったWMSの柔軟性、物流にイレギュラーを発生させないという鉄則は理解しつつも「どうしても!」という際の緊急対応など、考慮すべきことは多岐に及びます。実は BtoB が得意で BtoCは得意じゃなかったというシャレにならないミスマッチが起きているのも事実。

通販システムと同じ、物流のリプレイスは一朝一夕にはいきません。

何の予備知識もなく物流のリプレイスに望むと不都合が起きる可能性は大。検討されている方は是非上記のような点に注意してください。どうしても不安な場合はご相談ください (笑)。