紹介することで紹介してもらえる!SNS経由の売上が5倍に伸びた SHIBUYA109
どうも!買い物中毒のファション通販アドバイザーの野田(@KURUZE)です。お買い物してますか?
いよいよ2016年も残りわずか。個人的にも今年は激動の一年でした。そんな中、SNS活用において1つの確信を得ることができた事例があります。
それは SHIBUYA109 で実践している「紹介することで紹介されるようになる」ということです。
SHIBUYA109 が持つ独自の強みとは?
今年の10月9日にリニューアルを果たした SHIBUYA109 のウェブサイトと公式通販サイト。ボクの2016年は、このプロジェクトと共にありました。
新しいサイトの制作にあたり「109 独自のコンセプト」が必要になります。それは109の価値であり明確に打ち出していくべき強みである必要がある。
侃々諤々の議論の末、プロジェクトメンバーと共に決めた新しいサイトのコンセプトは「スタッフの方々の魅力を紹介していく」というもの。
これまで109が起こしてきたブームを振り返ってみると「カリスマ店員」や、そこから本部へ上がって自分のブランドを持つというシンデレラストーリーを叶えた「プロデューサー」など、ブームの源はいつだって「人」、もっといえば個人の力によるものでした。
現在SHIBUYA109で働いているスタッフの方でもSNSのフォロワーが何万とか何十万とか、そういう絶大な影響力を持つ方がゴロゴロといる。よくよく考えてみると、そんな場所ってありません。
買い物する人にとっても、働く人にとっても憧れの存在であり、買い物にいくだけで想い出に残る。そんな存在って SHIBUYA109 をおいて他にはなく、その憧れの対象は商品でもブランドでもなく、そこで働くスタッフの方々であると。
コンセプトの次は、具体的な行動指針
SHIBUYA109 独自の強み。それが「お客様が憧れを持つスタッフの方たち」であることが分かってきたら、後はどのようにその強みをサイトに反映させていくかです。
通常でいけば、どんどん告知してほしいとお願いして回るところです。でも自分個人のアカウントで友だちに向けて、働くブランドや場所の宣伝をしたいですか?
絶対イヤですよね。
意外とこれを強要しているブランドがあるんだけど、発信する方もイヤだし、読む方も告知ばかりで飽き飽きします。だってその人のパーソナルな部分を知りたくてフォローしてるのに、また「新作の宣伝かよ」ってなるでしょ。
だからプロジェクトメンバーで決めたことは「商品ばかりではなく、どんどんスタッフ個人を紹介していく!」ということでした。
紹介することで紹介されるようになる。これはボクがSNSで発信してきて感じる1つの真理です。
どんどんサイトとして、SHIBUYA109として、スタッフの方を紹介していこうと具体的な行動指針が決まります。
幸いにも 109の影響力は絶大です。他のデベロッパーと比べてもSNSのフォロワー数も多いし親和性が高い。さらに「109ニュース シブヤ編集部」という自社のメディアもあり、ここではスタッフの方がライターとして記事を書いています。
それら109が持つ資産を活かせば、下記のようなサイクルが実現できると考えました。
サイト内の特集やレギュラーコーナー、SNSを使って、スタッフの方を紹介する
↓
109が持つ影響力が徐々に紹介された個人にも伝播し、個人の影響力が高まる
↓
ある程度の影響力を持つようになったら109ニュースでライターとして活躍してもらう
↓
109ライターで人気の記事はLINEニュースやスマートニュースなど、大手キュレーションメディアに転載されるので、そのスタッフの方の影響力がさらに増していく
このように紹介を重ねることで、個人の影響力が高まると共に「SHIBUYA109に紹介してもらいました!」と逆に紹介されるようになるので、個人が持つ影響力が109にも伝播するようになる、そう考えました。紹介してもらうことを強要するのではなく、お願いするでもなく、「したくなる」仕組みをつくる。これで具体的なアクションプランも決まりです。
明確なコンセプトがあるからできる、常識外の施策の数々
さぁ、あとは行動あるのみ!
メールや特集といったページは、スタッフの方のコメントと一緒に商品を紹介してもらうような内容を増やしました。またスタッフの方が出てくれた部分は、その方のSNSアカウントのリンクを設置するようにしています。通常、通販サイトでは訪れたお客様を離脱させないようにするのですが、新生109サイトでは個人のSNSアカウントへどんどん紐付けを行っています。
そしてスタッフの方、個人にスポットを当てた特集も設けました。インタビュー形式で、その方の人となりを知ることができます。
そしてリニューアルに際して行ったキャンペーンでは、ショップスタッフの方にモデルになっていただきました。
スタッフの方も顔を出して個を出すことで売上があがる。だから今回の広告モデルは店頭の人気スタッフの方々。モデルの人より、よっぽどリアルなんじゃないかな。109で働いてて良かった!109で働きたい。そんな夢も同時に届けなきゃね! https://t.co/U10x6Vbnis
— ファッション通販アドバイザー 野田大介 (@KURUZE)
渋谷109の8F壁面がリニューアルのビジュアルに。実際に働くスタッフの方にモデルとなっていただき、こうしてスポットライトが当たることで影響力が高まっていく。
しかも宣伝ではなく、みんなが紹介してくれることで従来の手法よりよっぽど拡散力が上がりました。関係性が何より大事です。 pic.twitter.com/y9GHDIwcEz
— ファッション通販アドバイザー 野田大介 (@KURUZE)
このキャンペーン写真は、ウェブサイトはもちろん館内にもポスターとして掲示されました。自分がモデルさんのようにプロにメイクしてもらって、プロのカメラマンに撮ってもらい、それがポスターになって全国の109に貼られる。
しかもこの模様は動画となり、渋谷駅前のスクランブル交差点にある巨大ビジョンでも映し出されました。
普通ならプロのモデルさんにお願いする内容です。でもコンセプトが「スタッフの方々の魅力を紹介していく」というものであるからこそ、これまでの常識とは大きく逸脱した内容にも関わらずブレずに実施していくことができたのだと思います。
紹介することで紹介してもらえる!SNS経由売上が5倍に!
そして迎えたオープンでは、SNSで本当に色んな方が紹介してくれました。多分、というか絶対、紹介してもいないのに「今度リニューアルするので紹介してください」なんて一方的にお願いしても、ほぼ拡散しなかったと思います。
でも紹介することで「シェアしてね!」なんてお願いをしなくても、みんな率先してシェアしてくれるようになりました。
販促会議1月号にもその効果が掲載されているのですが、結果としてSNS経由の売り上げが5倍に伸びています。
「紹介することで紹介してもらえる」これって109に限らず、ブランドにも個人にも同じことが言えると思います。
多くの場合、働くスタッフの方のフォロワー数よりブランドのフォロワー数の方が多い。でもブランドのアカウントで何をしているかといえば宣伝ばかり。
そうじゃなく、スタッフの方の面白い投稿をリツイートしたりシェアしたり、そうやって紹介してあげればいんじゃないかな?そうすれば、スタッフの方にブランドが持つ影響力が伝播していくし、スタッフの方もブランドに対して愛着が湧いて辞めづらくなる。
SNSは「関係性」でつながるもの。カッコ付けたり、偉そうにしてたり、宣伝してたり、いかにも意識高いアピールだったり。そういうのマジで「うぜっー!」って思います (笑)。リアルとまったく同じ。
今年一年、自分や自社のSNS投稿を振り返ってどうか? 自分・自分!ってなってるようであれば、来年見直してみることをオススメします。
PS…
最後にボクもご紹介した方が。それは今回のプロジェクトメンバーの中心である東急モールズデベロップメントの沢辺さん 、内藤さん です。
常識から逸脱した内容であるにも関わらず採用するという英断、なかなかできることじゃないと思います。本当にありがとうございました!残る課題解決と新たなチャレンジに向けて、来年も引き続きヨロシクお願いします!