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キラキラするつもりが、げっそり (笑)「プラダを着た悪魔2」鑑賞記

SNSでイシキ高い人が我先にと「観ました」投稿をあげている。
この映画を観た人はオシャレなのだ。
Googleで「 プラダを着た悪魔 」と検索しようものなら、ヒールが画面を歩いていく演出。
嫌味なくらいオシャレである。スタバでマックを広げるより、オシャレ雰囲気を醸し出せる。

そんな世間の薄っぺらさに辟易(へきえき)としながらも、同じ業界人として、そしてアナの引退に敬意を表し行って参りました。

とはいえ、オシャレ気取ったやつと一緒に鑑賞なんてまっぴらごめん。
21時30分スタートのレイトショー、もちろん最後列の一番端という指定席で。

で、観終わった感想が「 げっそり 」。 キラキラして出てきたかったんですけどね。

そこかしこに散りばめられたカメオ出演だったり、撮影中に亡くなったアルマーニへのオマージュであろうアルマーニのドレスを着たミランダだったり、ルーシー・リューが演じている世界一の富豪はAmazonジェフ・ベゾスの元妻マッケンジー・スコットじゃないか説だったり、その豪邸はロングアイランドにあるビリー・ジョエルの邸宅だったり。まあ、そんな小ネタに突っ込んでいくだけでも一仕事 (笑)

そこに加えて、本流のネタがSNSの炎上から巻き起こる2026年現在のファッション&出版業界で今まさに起きていること——コンプライアンスだったり、ポリコレだったり、ハラスメント問題だったり、AIだったり、何より出版不況だったり。驚くほど現実で起きていることが如実に描かれているわけで、これってエンタメなのか、お仕事なのか、という(苦笑)。

でもってミランダ女史ですよ。
ボクら庶民はコートは自分でかけるし、エコノミーに乗ることもある
でもミランダはモードの象徴、日常にいたらダメな人

あれをミランダの成長と呼ぶのであれば、それだけ時代がつまらなくなってきた証左ではないかと。親会社や広告主との調整、SNSの炎上、パワハラ、モラハラ——そんなん我々庶民の仕事。採算度外視でクオリティのみを追求し「好きを貫く」だけでは届かない壁があることは、この業界にいれば嫌というほどわかる。でも、あなたが貫けないなら誰が貫くんですか、って。

ファッションには必ず通らねばならないイニシエーションがあります。そこを通らない人は絶対にカッコよくはなれない。オシャレは30分でなれるけど、カッコ良さはスタイル。生き様です。通ってこなければ絶対に身につかないし、自分のスタイルを裏切った瞬間に失うものでもあります。

ナイジェルはよくやっていたと思います。アンディもガンバった。
でも他のスタッフですよ。ミランダにそんなことさせるなよ、と。
スタイル捨てさすなよ、と。そんな怒りと一抹の寂しさ。

そして皆が楽しみにしていたであろう、前作のマドンナ「 Vogue 」のオマージュシーン。前作が機能していたのはアンディの成長とあの着替えがリンクしていたからなわけで。成長したアンディ&パーティドレスで同じことをやられても「 見せときゃ喜ぶんでしょ」的な押し付け感がプンプンしておりました。しかも20代だった野田青年を虜にした前作最大の見せ場である「 足をそろえて20度くらいに傾けながらアンディがドアを開ける 」という、めちゃくちゃカワイイあの仕草が観れなかった点はマイナス要素と言えるだろう。

といくつも不満を並べてみましたが、全体を通して見ると最高に面白かったと思う。
5つ星でいくと4か4.5くらい。

キャリア・恋愛・友情・デジタル・クリエイティブなどなど、様々なテーマをとにかく2時間に詰め込み、20年分のみんなの思いを足早に回収して「 責務は果たしました、後の深掘りは各個人で考察してみて 」と無責任にぶん投げられた感じ (笑)

そういう宿題をいろいろもらった感じなところも、げっそりした理由のひとつかな。

ファッション映画だと思って観に行くと、人によってはしんどい。
特に業界にいた人間は覚悟して行ってください。
キラキラして出てきたい人には正直おすすめしません。
足早すぎて消化しきれなかったので、ボクはまた観にいくと思います。
今度はちゃんと覚悟を持って。

あ、最後に。
前作の恋人役はまったく合っていなかったので、今回は相応な感じ
そこだけはご安心を (笑)